
この新素材の導電性向上は、電動航空機や送電網の設計を見直すきっかけになるでしょう。技術に詳しい同僚と共有する価値があります。

銅の5倍の強さ、重さは半分 記事の流れと主な事実
スペインのIMDEA Materials Instituteを中心とする研究チームが、二重壁カーボンナノチューブ(DWCNT)に気相法でドーピングを行い、導電率を最大17倍に高める新技術を開発しました。この方法では、ナノチューブ同士の間質空間にテトラクロロアルミン酸イオン(AlCl₄⁻)を挿入し、電子供給を可能にしています。従来の液相ドーピングとは異なり、溶媒を使わない気相法により、ナノチューブの構造を壊さずに高い導電性を実現しました。
実験の結果、ドープされた繊維の導電率は最大24.5 MS/mに達し、銅の約40%、アルミニウムの約70%の水準に到達。重量を考慮した比導電率では銅を上回り、強度は鋼鉄に肉薄するレベルを維持しています。このため、電動航空機やeVTOL、電気自動車など、重量制約が厳しい分野での応用が期待されています。
一方で、ドーパントが空気中の水分と反応して劣化する問題があり、長期的な環境安定性が課題です。研究チームはポリマーコーティングで5日間で初期導電率の80%を維持することを確認していますが、実用化にはさらに耐久性の向上が求められます。今後は保護膜の開発や、水に強い新しいドーパントの設計が並行して進められています。
主な事実
- 研究チームはスペインのIMDEA Materials Instituteとマドリード工科大学、サラゴサ大学から構成される。
- 気相法によるドーピングで、カーボンナノチューブ繊維の導電率が最大17倍に向上し、最高24.5 MS/mを記録。
- ナノチューブ間の間質空間にAlCl₄⁻イオンを挿入することで、構造を損なわず電子供給を実現。
- ポリマーコーティングにより、5日間で初期導電率の80%を維持することに成功。
- 比導電率は銅を上回り、重量は半分、強度は5倍に達する計算となる。
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