イスラエルのスモトリッチ財務相が「エルサレムの日」の行進に参加する様子。背景には旧市街の街並み。
イスラエルのスモトリッチ財務相が「エルサレムの日」の行進に参加する様子。背景には旧市街の街並み。

国際刑事裁判所への対抗措置として西岸地区の村に退去命令が出されたことで、この話題を追う同僚や関係者には、中東情勢の緊張の高まりが見えてきます。

極右閣僚、ICC逮捕状請求で報復措置 記事の流れと主な事実

イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相は2026年5月19日、国際刑事裁判所(ICC)の検察官が自身に対する秘密の逮捕状を請求したと主張し、これに対抗する形でヨルダン川西岸地区のパレスチナ人ベドウィンの村ハーン・アル・アフマルに退去命令を出した。スモトリッチ氏はこの動きを「報復」と位置づけ、「宣戦布告」と表現した。ICCはコメントを控えたが、同国の占領政策をめぐる国際的対立が再燃している。ハーン・アル・アフマルは2018年にイスラエル最高裁から立ち退き命令を受けたが、国連やICCが国際法違反を指摘し、実行は遅れていた。

スモトリッチ氏は、西岸地区におけるイスラエルの支配強化に広範な権限を持つ極右政治家であり、2023年から入植地政策を主導してきた。昨年、イギリスなど西側5カ国は、彼と国家安全保障相イタマル・ベン・グヴィル氏に対し、パレスチナ人コミュニティへの暴力扇動を理由に制裁を科している。今回の退去命令は、東エルサレムと西岸地区の領土的連続性を確立するイスラエルの長期戦略の一環とみられている。

ICCは2025年、パレスチナがローマ規程を批准していることを根拠に、ガザや西岸地区、東エルサレムでの事件に管轄権があると判断している。2024年にはベンヤミン・ネタニヤフ首相と元国防相ヨアヴ・ガラント氏に対する逮捕状が発行された。イスラエル政府はICCの権限を認めず、今回の逮捕状請求についても『反ユダヤ的な裁判所』と非難している。

主な事実

  • 2026年5月19日、イスラエルのスモトリッチ財務相はICCが自身に対する秘密の逮捕状を請求したと主張した。
  • これに対抗し、スモトリッチ氏は西岸地区のパレスチナ人ベドウィンの村ハーン・アル・アフマルに退去命令を出した。
  • ICCはコメントを控えたが、逮捕状請求は機密扱いとされ、裁判官の承認が必要。
  • パレスチナ自治政府はこの退去命令を「危険なエスカレーション」と非難している。
  • イスラエルは1967年以来、西岸地区に約160の入植地を建設しており、国際法では違法とされている。
  • 2024年11月、ICCはネタニヤフ首相と元国防相ガラント氏に対する逮捕状を発行している。

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